本 |
備考 |
養老孟司&玄侑宗久
『脳と魂』
(筑摩書房/1680円) |
対談王・養老孟司。この本での相手は禅宗の僧侶にして芥川賞作家の玄侑宗久。解剖学者と坊主だから、死体つながり? これならもう怖いものなし |
森達也&姜尚中
『戦争の世紀を超えて―その場所で語られるべき戦争の記憶がある』
(講談社/1890円) |
養老に次いで対談が多いのが姜尚中。映画監督の森達也と、世界の戦場跡を歩きながら戦争について語り合う。難解な国際政治も、少しわかったような気持ちになる |
岡野宏文&豊崎由美
『百年の誤読』
(ぴあ/1680円) |
とかく硬くなりがちな文芸評論も、こういう対談なら大いに盛り上がる。一見、軽薄で野蛮そうな本なのだが、じつは近代文学とは何だったのかをズバリ射貫く |
唐沢俊一&村崎百郎
『社会派くんがゆく! 逆襲編』
(アスペクト/1575円) |
オタク系文化人と鬼畜系文化人が、社会で起きるものごとについて語り合う。初出はwebマガジン。書き言葉だとイタい物言いも、しゃべり言葉だと許せる? |
安部譲二&山本譲司
『塀の中から見た人生』
(カナリア書房/1575円) |
Wジョージ。譲二は賭博開帳と銃刀法違反で、譲司は秘書給与流用で、それぞれ服役。でも、懲役帰りでなければ見えないこと、言えないことがある |
宮台真司&宮崎哲弥
『エイリアンズ―論壇外知性体による「侵犯」的時評03-04』
(インフォバーン/1890円) |
M2による時事放談。タイトルは自分たちを「論壇外知性体」と位置づけたところから。しかし、いまや論壇なんていうものは虫眼鏡で探したって見つからない |
河合隼雄&中沢新一
『仏教が好き!』
(朝日新聞社/1470円) |
ユング派精神分析家であり文化庁長官(!)の河合と、『カイエ・ソバージュ』の文化人類学者・中沢。9年前なら絶対に実現しなかった対談だ |
村上春樹&柴田元幸
『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』
(文春新書/777円) |
村上はあまりインタビューを受けたり対談に登場する人ではない。本書は「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を訳した直後の村上が英米文学者の柴田と翻訳論議 |
吉本隆明&逸見庸
『夜と女と毛沢東』
(文春文庫/470円) |
吉本も対談のチャンピオン。思想の巨人も、対談だと江戸っ子らしいサービス精神を発揮して、面白くわかりやすくする。これはもう、ひとつの芸だ |
坪内祐三&福田和也
『暴論 これでいいのだ!』
(扶桑社/1890円) |
説明不要の本誌掲載。この二人に限らず、たいていの対談は暴走し、暴論となる。それは相手にサービスしようとするからであり、対話というものの罠である |