やおよろず的

■福島民報 2005年10月15日号 文化面「新刊抄」 

 禅僧で作家の著者が神道めいた「やおよろず的」とは、少し妙な気がしてページをめくった。その意味とは「中央集権化しないで、さまざまな価値を並立させてあるという状態」で、西洋的な「ユナイト」と反対の、日本的な概念として打ち出している。
 「グローバルな正義をまかり通そうとする人々がいる」からこそ、経済原理と相いれない「やおよろず」という考えをアピールしていかなければならない、と著者をいう。「まとめすぎない志を持つ」生き方を、やわらかい言葉で伝えてくる。

神戸新聞2005年11月6日/信濃毎日新聞2005年10月30日/河北新報2005年10月23日