『御開帳綺譚』

朝日新聞 2005年12月4日号     読書欄【文庫・新書】

 隣町の薬師堂の21年ぶりの秘仏開帳の儀式を仕切ることになった住職を、男が訪ねてきた。彼は、今安置されている薬師如来像は元々のものではない、自分がすり替えたという。何のために? 本当にお薬師様は偽物なのか?
 男が語る過去からのいきさつを通して、記憶の不思議を浮き彫りにする表題作ほか1編。